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生薬栽培と契約農家の問題 [日本で広がる生薬栽培]

■生薬栽培と契約農家の問題

ツムラは高知、和歌山、群馬、岩手でも契約栽培を進める。
ツムラ漢方薬で使用する生薬118種類のうち、国内栽培で25種類が生産可能だという。

ただ、ここ数年の新規参入の機運の前までは、生薬の国内栽培は減り気味だった。
農家の高齢化に加え、薬価の抑制で製薬メーカーもコストに厳しくなっていたことも影響。
07年度の生薬生産量は97年に比べて17%減った。

「生薬栽培が初めての農家が栽培技術を磨くのに年数がかかる。
中国産が高騰したといっても、国産の方がまだコストが高い」とある漢方薬メーカー。
富山大和漢医薬学総合研究所教授の小松かつ子は、
「休耕田が多い中山間地対策として生薬栽培への関心は高いが、販売ルートづくりが難しい」と話す。

国内栽培を増やしても、気候や土壌といった条件面から中国でしか生産できない生薬も多い。
帝京大医学部外科准教授の新見正則は「構成するどの生薬を一つ抜いても効き目がなくなる。
同じ生薬を使っていても調合比率を変えるだけで風邪薬が胃腸薬に変わることもある。
漢方は微妙なバランスが重要で、他の生薬では代替が利かない」と指摘する。

しかも漢方の生薬は、同じ品種であっても、ワインと同じように、
生産地が変わると成分含有量が異なってくる。
日本での漢方薬は液剤よりも製剤が中心になっており、
違う産地の原料を使うと、製品の均質性を保つのが難しくなるという。
このため「原料の中国依存からの脱却は当面むずかしい」との見方も多い。

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