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漢方は、証にもとづき「人をみる」 [漢方の「効き方」]

■漢方は、証にもとづき「人をみる」

一方、東洋医学が効くことが多いのは、
冷え性や更年期障害など複数の要因が絡み合って起こる病気や、
深刻な病気につながりかねない体の不調である「未病」の治療だ。
抗がん剤のような強い副作用はないが、慢性疾患では長く飲み続けなければならないという限界もある。

診断でも、東洋医学は機器を使わず、五感をフル活用する。
患者の話を聞く「問診」、脈をみたりおなかを触ったりする「切診」、
患者の顔色や舌などを診る「望診」、声の調子や口臭などをかぐ「聞診」の「四診」が基本だ。

四診を通じて、体質や症状から「証」を導きだし、薬を選ぶ。

証を決める際には、患者の体質を表す「虚実」、体温を表す「陰陽」を見極める。
「虚」は体力がなく、気力が乏しい状態、「実」は反対に体力があり、声にも張りがある。
「陰」は体が冷えており、「陽」はほてっている。

個人の証に合わせて処方するため、西洋医学でも注目され始めた個別化医療
(患者個々の状態にあわせたオーダーメードの医療)の先駆けともいわれる。
ただ、西洋医学で求められている科学的根拠を出しにくく、
「効能がわからない」との批判を常に浴びてきた。

薬の科学的根拠を示すには「無作為化比較試験」という手法が用いられる。

患者を無作為に二つの集団にわけ、
一つの集団には新しい薬、もう一つの集団には既存の薬、または偽薬を用いて、
どちらが効くかを比べる方法だ。

しかし漢方の場合、
(1)個別化医療のため、集団としての科学的根拠を出しにくい
(2)患者の主観で症状を診るため、検査値などの客観的な指標を出しにくい
(3)臓器別ではなく、その人を全体で診る「全人医療」のため、評価がしにくい
――といった課題を抱える。

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